契約書はやはり大切!! ~その2~
こんにちは。ゴールデンウィークはいかがでしたか?私は、どこも混雑するので近場で過ごしましたが、リフレッシュできて有意義でした。
先月は、契約書が無くて取引先が支払を拒んだお話をしましたが、今月は、角度を変えて相手方(取引先)が文書を「偽造」してきた事例をご紹介したいと思います。
ある顧問会社が取引先との契約を巡って裁判を余儀なくされたのですが、顧問会社社長としては「自分の方が正しい」「私の勝訴は当たり前だ!」と自信満々。私も社長の話を聞く限りでは十分勝訴できると見立ていました。
ところが、裁判の中で相手会社から、とんでもない証拠が提出されたのです。
その証拠とは「覚書」なる文書なのですが、そこに書かれた内容は顧問会社の言い分と正反対、相手会社の言い分を全面的に裏付けるもので、更にはその内容を認める顧問会社社長自らの手書きサインまでしてあります。
もちろん、顧問会社社長はその覚書を見た記憶すら無く、当然サインした覚えはありません。なので、この覚書は相手会社が「偽造」したことになるのですが、社長は「仕事では信頼関係が大切、契約書は二の次」という信条をお持ちで、普段から契約書等の文書管理にずさんなところがありました。このため、社長として、自信を持って「この覚書に署名したことがない」と言い切れないところがあって、裁判の行方が不透明になってしまいました・・・
「契約書をしっかり作る」という意識を持つと、契約書が無くて困る事態を防止できるのはもちろんですが、私の経験でいえば、文書を作る意識が明敏となって、「偽造」文書に対しては「偽造だ!」とはっきり言い切る自信を持つことができるようです。
確かに人生には「まさか」の坂がありますので、老婆心ながら、皆様におかれてもお気を付けいただければ幸いに存じます。
なお、私が開設しておりますサイト 「弁護士による事業再生・再建」には負債問題の対処方法など、いろいろな情報をお知らせしていますので、ご参考にして頂けましたら幸甚です。
「限りなく透明に近いブルー」(村上龍 著、講談社)
現在、各種メディアで活躍中の村上龍氏の言わずと知れたデビュー作で芥川賞受賞作。 久しぶりに読み返したのですが、内容自体は決して上品とはいえないものの(むしろ、エログロ?)文体や文章に改めて美しさを感じました。
ACCESS
- JR山手線
- 大塚駅徒歩5分
池袋駅徒歩12分
- 都電荒川線
- 向原駅前
東京都豊島区東池袋5-38-7クリオタワー大塚台1407