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強制執行の利用

    強制執行は、権利者(債権者等)が、国家権力の力を借りて権利の内容を強制的に実現する手続きです。
    この「国家権力の力を借りて」「強制的に」権利を実現する強制執行が法的手続の最大の長所(メリット)であり、交渉その他の裁判外の手段には認められない際立った特徴です。



強制執行は効果があるのか?

  債務会社が担保を付けていない不動産や売掛金、預貯金など相当な資産を所有している場合には、当然のことですが十分な効果が期待できます。
  債務会社がこのような資産を所有している場合、債権者が支払いを拒むときには資産を強制的に換価(現金化)しその現金から回収することができます。

  ただ、実際上こうした資産を持っている会社が任意に支払いを拒むことは、債権の成立に問題(例えば、納品していない、納品商品に傷があったなど)でもない限り考えにくいことです。
  実際上最も多いのは、債務会社が真実資産を持っていないか、あるいは、持っているのかいないのかよくわからない場合だと思われます。

  ご相談の時点で既に資産を使い果たし本当に資産を持っていない場合には、確かに回収は事実上困難です。
    もっとも、例えば会社代表者などの会社関係者に連帯保証人になってもらうなど方法もありますから簡単にあきらめてはいけませんが、それでも回収できる可能性は低いと言わざるをえません。債権回収のポイントの第一としてスピードを強調していますのは、このためです。
  ただ、当事務所は会社の再生・倒産業務にも注力しておりますので倒産直前の会社の資金事情などにも精通していますが、倒産直前の緊急状態にある会社であっても資産が全くない、0状態であるということは、実は少ないのが実際です。売掛金など一部資産を所有している場合が多いのです。
  したがって、ノウハウを駆使して、こうした資産を見つけだすことができれば、全額とまでいかなくとも相当額を回収できる可能性があります。あきらめてはいけません

  また、そもそもですが、債務会社に強制執行をしようと思っても資産がどこにあるのかわからない、といった状態に陥らないことが最も重要です。
  つまり、強制執行をやらざるを得ない状況に至る前に、交渉あるいは訴訟によって解決することが大切となります。病気と同じですが、一日も早く相談(治療)いただくことをお勧めします。
  交渉は、もちろん皆様ご自身で行うことができますが、交渉による回収欄で説明しましたように、債権回収における交渉は通常の商談とは異なる専門的なノウハウが必要になる場面です。時間が経過すればするほど債権は劣化しますので、早めの対応がポイントになります。



強制執行の条件

    強制執行は、まさに国家権力が行使される場面ですから、「債務名義」という特別の文書が必要になります。
    債務名義は、基本的には、裁判所が言い渡し確定した判決や判決に類似する和解調書、調停調書など裁判所のお墨付きを必要としますので、取得するには手間・暇がかかるのですが、裁判所が関与しないものが一つあります。執行受諾文言付きの公正証書です。
  公正証書は、公証人(退職した裁判官や検事などが多い)が作成する文書です。作成には債権額などによって若干の費用はかかりますが、債権者と債務者が同意すれば直ぐにでも作成ができますから、便利な文書です。交渉による回収欄でも、交渉の成果として利用をお勧めしています。 是非ご活用ください。   
  ただし、確定判決とは異なりますので、執行段階で債務者より有効性を争われる可能性がある点にはご注意ください。



強制執行の方法

    強制執行は、広くいえば、例えば不動産の明渡しや引渡しを実現することも含みますが、ここでは売掛金(金銭債権)の回収を実現する強制執行に絞って説明します。
    売掛金(金銭債権)の強制執行には、対象とする財産との関係で①不動産執行②動産執行③債権執行がありますが、一般に
       債権者の申立て → 差押え → 強制換価(現金化) → 配当(回収)
    という手続きになります。

1 不動産執行
    土地・建物などの不動産を対象とし、強制競売強制管理の2つの方法があります。
    強制競売は、不動産を売却しその代金を配当するのに対し、強制管理は、管理人に不動産を管理させ、そこから上がる賃料などの収益を配当するのですが、圧倒的に強制競売の方が多いのが現状です。
    不動産執行は、不動産に担保が付いていない場合などには、一般に高価値であることから回収可能性が高いというメリットがあります。
    しかし、執行官が現況を調査し、不動産鑑定士が不動産評価をするなど慎重に手続を進めるため、他の執行より時間(半年~1年程度)を要します。
    また、 申立人(債権者)は、申立に際し予納金として相当額を裁判所に納付することが必要となります(予納金は、不動産鑑定士の報酬などに充てられます)。予納金は、最終的に配当に際し優先して戻ってきますが(戻りきらない場合もあります)、それまでは債権者の方で立て替えることになる点にも注意が必要です。
2 動産執行
    商品や機械、家財道具・現金などの動産を対象とします。
    早く簡便に実施できますので(2週間から1ヶ月程度)、債務会社が営業を継続している場合などには相当の効果が見込めます。
    反面、換価金額が小さく、回収につながらないこともあります。

3 債権執行
    預金、給料、売掛金、貸金などの債権を対象とします。
    早く簡便で(2週間から1ヶ月程度)換価性も高いので、簡易迅速な回収につながります。
  しかし、債権それ自体は目に見えない存在ですから、これを発見することが困難な場合もあります。






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